2008-08

なんどはどんな?

2008年7月19日(土) くもり

左から読んでも右から読んでも同じ…っていうことがポイントではない。
日本語の色の表現のひとつに「納戸」という言葉があることを最近知ったのだ。

アイヌ語は色に関しての単語が非常に少ない。
少ないというか、4つだけである。
<hure フレ>
<kunne クンネ>
<retar レタラ>
そして<siwnin シウニン>青、黄、緑という幅広い範囲をカバーする。
時として、わずかに、少しという意味の<ru ル>を前につけることもある程度だとか。

そもそも古代日本語の「アオ」も、本来は黄色や緑色を含めていたというから共通性は大いにある。

ちなみに納戸色とは、江戸後期に流行したくすんだ藍色をさす。
反物をしまっておく納戸の薄暗さを表したもの、だとか、藍色に染めるには手間がかかるので一度に大量に染めておいて納戸にしまっておいたらこんな色に落ち着いたから、だとか諸説イロイロ。

ところで、なんでなんど?=なぜ、納戸色?かということについては、そのうち、おいおい。


新しい単語ができるということ

2008年7月6日(日) 晴れ

<Kussharo Factory>の日常は、看板犬を中心に回っている。
なので人間スタッフはガマンする。
扇風機は看板犬のために使うのである。
08070601

明日から開幕する北海道洞爺湖サミットの最大のテーマは地球温暖化対策だという。
まるでそのタイミングを図ったかのような自然からの仕打ち。
08070602  08070603

ちなみに左は和琴半島をバックにした日なたで、右は屈斜路コタンの<nusa>祭壇をバックにした木陰で撮ってみたのだが。
おいおい。気温が、「北海道の」気温が体温並みの高さって、どういうことだい?

最新のアイヌ語ラジオ講座(STVラジオで放送中)のテキストに興味深いコラムが載っている。
会話の例文中に登場する<inkarsikso>という単語。

inkarは見る、sikは目、soは(に)属するもの、という意味に解釈できるという。
旭川出身の故・砂沢クラ媼が伝承するユーカラ(英雄詞曲)の中に出てくる魔法の道具で、世界のあらゆる事を映し出すものとされる。

つまり「テレビ」。

言葉とは時代とともに変わってしまったり、新しい単語の誕生を繰り返すものなのだろう。
ならばアイヌ語にも現在の生活に必要な語彙や単語が多く必要になるわけである。

言葉の持つ力−それを蔑ろにするようなことだけはしてはいけない…と思うんだな。

それにしても。
いずれアイヌ語にも「エアコン」に相当する単語ができるんだべか?
もしかして、もうすでに存在していたりして?

自然とともに生きてきた先人は、そんな単語の誕生をどんな気持ちで受け止めるだろうか。

あっという間の出来事いろいろ

2008年7月5日(土) 晴れ のち くもり のち 雨

7日に開幕する北海道洞爺湖サミットに先立って、先住民族サミットが開催されていた。
「されていた」と過去形なのは、昨日で終わったからである。

いやいやいやいや、知らんかったなあ。

1日から4日までアイヌ民族のほか海外11か国26人の先住民族が参加。「先住民族の権利に関する国連宣言」の実行といった提言をまとめ、G8議長の福田首相をはじめ各国首脳にぶつける、もとい、投げかけるそうだ。

屈斜路コタンから洞爺湖まで、距離にしてどれくらいだべか。
それでも、この空は洞爺湖どころか世界中とつながっているんだなあ、などとややしんみり考えながら見上げていると、ちょっと変わった<nishikuru>がもわもわもわ〜ん。
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平和の象徴、鳩にも見えるような。

その後、みるみるうちに黒い雲が立ち込めて<kamuy(神)hum(音)>雷鳴が聞こえ始めた。
(勘違いしないように。音ですぜ、神の声ではありません)
アイヌ文化伝承者・故萱野茂氏いわく、「雷の音がするときには研ぎものも、ほうきを使うことも縫い物もしてはいけない。謹慎しているものだぞ」。
えっ!? ほんとにい?(喜)

なのに10分くらいで止んでしまった。やっぱりウマくいかんなあ(なにが?)。

爬虫類は苦手じゃ

2008年6月12日(木) 晴れ のち くもり

きのこや山野草の図鑑を見るたびに、毒の有無を確かめた人の勇気には頭が下がるってもンである。
だいたい外見からして「なして食べようと思ったんでい!?」とツッコミを入れたくなるようなモンも少なくない。

アイヌは毒性も巧みに利用してきたといえる。
その思想の柱には「この世に役割なく存在しているものはない」という考え方がある。

病気やケガを引き起こすのは<wen kamuy ウェンカムイ>悪い神の仕業であるから、毒性の強いものや臭いのきついもの、とげのある植物などを魔よけとして、身につけたり住居の周辺に備えたりしたという。

なんといっても、薬効をはっきりと細分化して利用していた知恵には驚くばかりだ。
たとえば、風邪をひいたときにはナギナタコウジュ、胃痛にはキハダ、腹痛にはハコベ、下痢にはオオウバユリといったように。

で、この<rawraw ラウラウ=鱗の意>コウライテンナンショウ
写真は花が咲いている状態である。
これで? そう、これで花が咲いているんだよ!
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ミズバショウと同じサトイモ科。花のカンジも似ているっしょ?
茎の模様といい、この花のカンジが<tokkoni  トッコニ>マムシが鎌首をもたげているようすを彷彿とさせることから「マムシグサ」の異名を持つ。
花が咲き終わってしばらくすると真っ赤な粒状の実をつけることから、地方によっては「へびの松明」とも。

球根の真ん中にアルカロイドという有毒成分を含んでいるので、その部分をえぐりとって食したというが、有毒部分は神経痛や肩凝り、リューマチなどに貼付して用いたという。
エラい。

話はそれるが、<Kussharo Factory>の農耕民族出身スタッフはずーっと<ainu mosir アイヌモシリ>アイヌの住む大地=北海道には<tanne kamuy タンネカムイ=長い・神>びーへーが存在しないものと思っていた。まったく都合のいい思い込みである。

どっこい。屈斜路コタンの周辺では温泉が至るところで湧き出している。つまり地熱であったかい。ほどよい湿気もある。<tannne kamuy>にとっては住みやすいこと、この上ない。
その証拠(!?)に、5,6年前、屈斜路湖で泳ぐ<tanne kamuy>を目撃して腰をヌカしそうになった。
カンベンしてくれい。

道東にマムシはいないといわれているが、屈斜路の方言として<tokkoni>という記述が残っているのだから、ヤツの存在は知られていたのだろう。

ちなみに現代の札幌では、住宅街に「ミズオオトカゲ」(全長50cm!)とか「カミツキガメ」などが生息(!?)しているっていうから、気をつけないと。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/98358.php

アイヌ語だとカメ<echinge エチンゲ>トカゲ<haramu ハラム>
カミツキガメやミズオオトカゲを想定した言葉ではないだろうけど、さ。

カッコウがないたら

2008年6月9日(月) 晴れ のち 雷雨 のち 晴れ

午前中は暑いくらいに晴れていたと思ったら午後は大雨。
こんなワケわからん天気が3,4日続いている。

それでも屈斜路コタン周辺では<kakkok cikap カッコク チカプ>カッコウが鳴きはじめた。
するってえと、豆をまかねばならんのだろうが<Kussharo Factory>にはまくべき豆がないのであった。

しかたがないので、とりあえず山へ行った。きょうも午前中は蒸し暑いくらいに晴れていたのである。山へ到着して作業を始めるとほどなく雷が鳴り始め、雨が降ってきてしまったので慌てて帰ってきたのだが、採るモノは採ってきた。

「なんじゃ、この伸びすぎた<pukusa プクサ>ギョウジャニンニクは!」
と思ったあーた。コレがいいのだよ。
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花が咲くくらい伸びた<pukusa>を刻んで干して乾燥させる。
米に混ぜて炊くと<pukusa amam>プクサごはんのできあがり!
日常生活で食べることは少なくなったようだが、屈斜路コタンでも先祖供養祭ではお供えとして作っている。

どうしても興味がある方は、阿寒湖アイヌ部落にあるアイヌ料理店<ポロンノ>に行っておくれ。
http://jns.ixla.jp/users/taka20001116845/index.html
てんちょが渾身のギャグでもてなしてくれる…かもしれない…。

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