2008-07

子グマも洗われた?

2008年2月12日(火)

朝、起きたらまずカーテンを開ける。

停めてある車の上とか玄関前のデッキの上などがうっすら白くなっていると、あー夜中に雪が降ったんだな、とわかる。
で、今朝は白くなっていた。「ふーん」と思いつつ目を宙に移すと、まだ降っているのであった。
が、何かがおかしい。
何だ?

空から落ちてきている物体は雪でもみぞれでもなく、雨だったのである。
ひょえー!!!!

時間にしたらたぶんほんの数分の出来事であって、気象観測的にも記録されるほどのものでもなかろうし、そもそもこの屈斜路コタンでも気づいた住人が何人いたことか。
ということはウラもとれんのだが、あれは確かに「雨」だった!

アイヌ文化の伝承と研究に尽力された故・萱野茂氏の著書「アイヌ歳時記」のなかに【二月に降る雨】という項がある。
アイヌは<キムンカムイポフライエプ kimun(山の)kamuy(神)po(子供)huraye(洗う)p(もの)>と表現し、冬眠穴にいるヒグマ狩りを行う目安にしたという。
ヒグマは冬に子供を産み穴の中で雪解けを待つのだが、子供が生まれた後の2月に降る雨が雪を固めてくれるので狩りをするには都合が良かったのだ。
雪の表面が凍った堅雪のことは<ウカ uka>大人が走っても抜けないような堅雪<ポネウカ pone(骨のような) uka>と呼ばれた。

冬眠穴にいるヒグマは抵抗を最小限に抑えられる。子グマはコタンに連れ帰って育て、1〜2歳になった頃、<イオマンテ iomante>熊の霊送りが行われることになる。

……それにしても。2月に雨が降るかあ? と、初めてこの項を読んだときはにわかに信じがたかった。道南というか札幌に近い二風谷(萱野氏の居住地)ならありえるのか? などと思いが巡り、よけい印象に残っていたのである。

ちなみに昨日、旭川では今年になって初めてプラスの気温になったとかで、ニュースになっていた。
道東の屈斜路コタンだって、まあ旭川ほど寒くはないにしても、2月に雨というのはまずありえない。はず…。
でも、あり得た!?

もっとも、萱野氏が教えてくださった「2月」とは旧暦のことだと思う。ならば現在では3月になってからの話であって、それなら合点がいくっちゅーもんである。

それにしても、現暦の2月に雨が降ったということを知ったら先人たちもたまげるんでないかい。

テーマ:北海道/道東 - ジャンル:地域情報

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