ケアラン、ケアラン。
2008年2月8日(金) 晴れ
久しぶり、1か月ぶりぐらいで釧路に行った。行っちゃった。
鶴居村のタンチョウが集まる場所とか釧路湿原展望台などが観光客でいっぱいだなあ、と思ったら今週末から世間は3連休なんですな。どうりで観光バスともよくすれちがうはずじゃ。
数日前の話。
ご近所のお姉さま方に料理を教わった。
メニューは<エハ(つちまめ)アマム(麦・豆以外の穀物の総称)>つちまめ入りご飯。
<シケレペ(シコロ・キハダの実)ラタシケプ(煮物)>シケレペ入りカボチャの煮物。
<オハウ>具だくさんの汁物。今回はすりおろし団子入り。
<チエプルイペ>鮭の凍った刺身。
<シト>団子各種。
<プクサ>ギョウジャニンニクの酢味噌和えなどなど。
初仕事は<シアマム(本当の穀物)>米と<メンクル>いなきびを研いで、うるかした。
シアマムは珍しいモノで特別なことがない限り口にできなかったという。そもそも寒冷地・北海道で稲作が広まったのはまだ歴史的には最近の話である。弟子屈町はいまだに田んぼが無い。峠を越えた美幌町にはあるけど。
ちなみに、「うるかす」は北海道方言らしい。らしい、というのは使っている者たちは自覚していないため。水に浸けておくってこと。
続いて、ラタシケプで使うカボチャを煮やすいように切る。カボチャはアイヌ語でもカボチャである。
シケレペはお湯に浸けてふやかしたあと、枝から実を外し、枝と実をつないでいた突起部分も丁寧に取る。

これをカボチャと一緒に炊いてつぶし、マッシュカボチャにするんである。

オハウにはすりおろし団子を入れることに。
すりおろし団子、これはスゴい! なにがスゴいって手間がかかるんである。
まず、じゃがいもだ。じゃがいもはアイヌ語で「イモ」という。今回はレッドムーンという品種を使用。べつに深い理由はなく、お姉さま方のうちのひとりが提供してくれたため。皮は赤く、中身が黄色っぽいイモである。皮をむいたイモをひたすらすりおろす。すりおろすそばから色が変わってくるが、気にせずすりおろす。
これをさらしで漉して液体と固体(?)に分ける。

液体状のものはしばらくおいて、沈殿したデンプンも大事に使う。

これを一口大に丸めて

一回湯に通したあと、炊いた野菜の具と一緒に味を調えて汁に。

アイヌは同じような作業工程をその昔、<トウレプ>オオウバユリの根茎を用いて行っていた。三番粉までデンプンを取ったという。
上新粉と白玉粉を使ったシトはゴマ和えにするべ、ということになって、ひたすらゴマをすることに。量が多かったせいもあるけど、30分くらいすっていた!? …ような気がする。
「味も付けれ」
「砂糖から? これくらい?」
「まだ入れていいべや」
「もっと?」
「もっと」
「もっと?」
「もっと」
「これくらい?」
「ちょっと入れすぎたんでないべか?」
「…………」
「しょうゆで調整すればいいべや」
「こんなもん?」
「もうちょっと」
「これくらい?」
「いいんでないかい。あと塩を少しな」
「少し? これくらい?」
いやいやいやいや、こわいこと、こわいこと。ちなみに「こわい」は恐い、じゃなくて疲れたという意味である。北海道では。
できたゴマだれに、湯通ししたシトを投入!

う、うまそー。
隣では<ポッチェイモ>作りが行われていた。
これまた<アイヌモシリ>人間の地=アイヌの地ならではの調理法だろう。
<ポッ>は沸く、とか、ふく、という意味。ジャガイモを雪の中で凍らせて発酵させるのだ。いまだったら室だの発泡スチロール箱などで貯蔵できるが、昔は放っておけば必然的に凍るのである。まあ、いまだって玄関に置いておくだけで簡単に凍らせることができる。そのイモを乾燥させてつくった団子なのである。ところによっては<ムニニイモ>とも。ムニニ=ムニンは腐るというような意味が。確かににおいにクセがあるという人もいるが、まったく気にならない。
これは焼いて食べる。
そして、ついに! においでお腹がいっぱいになったころ、全メニューが完成した。
さっそく試食。
「昔のアイヌはエラかったねえ。自分たちで手に入れたモノだけを保存しておいて、厳しい冬も過ごしたんだからねえ。冷凍庫なんてなかったんだもんねえ。口にした食べ物で怪しいモノなんて、なーんも無かったんだからねえ、今と違って。しかも体にいいモノをちゃあんと知ってしたんだよ。<ケアラン>おいしいねえ」
<イヤイライケレ>ありがとう。
久しぶり、1か月ぶりぐらいで釧路に行った。行っちゃった。
鶴居村のタンチョウが集まる場所とか釧路湿原展望台などが観光客でいっぱいだなあ、と思ったら今週末から世間は3連休なんですな。どうりで観光バスともよくすれちがうはずじゃ。
数日前の話。
ご近所のお姉さま方に料理を教わった。
メニューは<エハ(つちまめ)アマム(麦・豆以外の穀物の総称)>つちまめ入りご飯。
<シケレペ(シコロ・キハダの実)ラタシケプ(煮物)>シケレペ入りカボチャの煮物。
<オハウ>具だくさんの汁物。今回はすりおろし団子入り。
<チエプルイペ>鮭の凍った刺身。
<シト>団子各種。
<プクサ>ギョウジャニンニクの酢味噌和えなどなど。
初仕事は<シアマム(本当の穀物)>米と<メンクル>いなきびを研いで、うるかした。
シアマムは珍しいモノで特別なことがない限り口にできなかったという。そもそも寒冷地・北海道で稲作が広まったのはまだ歴史的には最近の話である。弟子屈町はいまだに田んぼが無い。峠を越えた美幌町にはあるけど。
ちなみに、「うるかす」は北海道方言らしい。らしい、というのは使っている者たちは自覚していないため。水に浸けておくってこと。
続いて、ラタシケプで使うカボチャを煮やすいように切る。カボチャはアイヌ語でもカボチャである。
シケレペはお湯に浸けてふやかしたあと、枝から実を外し、枝と実をつないでいた突起部分も丁寧に取る。

これをカボチャと一緒に炊いてつぶし、マッシュカボチャにするんである。

オハウにはすりおろし団子を入れることに。
すりおろし団子、これはスゴい! なにがスゴいって手間がかかるんである。
まず、じゃがいもだ。じゃがいもはアイヌ語で「イモ」という。今回はレッドムーンという品種を使用。べつに深い理由はなく、お姉さま方のうちのひとりが提供してくれたため。皮は赤く、中身が黄色っぽいイモである。皮をむいたイモをひたすらすりおろす。すりおろすそばから色が変わってくるが、気にせずすりおろす。
これをさらしで漉して液体と固体(?)に分ける。

液体状のものはしばらくおいて、沈殿したデンプンも大事に使う。

これを一口大に丸めて

一回湯に通したあと、炊いた野菜の具と一緒に味を調えて汁に。

アイヌは同じような作業工程をその昔、<トウレプ>オオウバユリの根茎を用いて行っていた。三番粉までデンプンを取ったという。
上新粉と白玉粉を使ったシトはゴマ和えにするべ、ということになって、ひたすらゴマをすることに。量が多かったせいもあるけど、30分くらいすっていた!? …ような気がする。
「味も付けれ」
「砂糖から? これくらい?」
「まだ入れていいべや」
「もっと?」
「もっと」
「もっと?」
「もっと」
「これくらい?」
「ちょっと入れすぎたんでないべか?」
「…………」
「しょうゆで調整すればいいべや」
「こんなもん?」
「もうちょっと」
「これくらい?」
「いいんでないかい。あと塩を少しな」
「少し? これくらい?」
いやいやいやいや、こわいこと、こわいこと。ちなみに「こわい」は恐い、じゃなくて疲れたという意味である。北海道では。
できたゴマだれに、湯通ししたシトを投入!

う、うまそー。
隣では<ポッチェイモ>作りが行われていた。
これまた<アイヌモシリ>人間の地=アイヌの地ならではの調理法だろう。
<ポッ>は沸く、とか、ふく、という意味。ジャガイモを雪の中で凍らせて発酵させるのだ。いまだったら室だの発泡スチロール箱などで貯蔵できるが、昔は放っておけば必然的に凍るのである。まあ、いまだって玄関に置いておくだけで簡単に凍らせることができる。そのイモを乾燥させてつくった団子なのである。ところによっては<ムニニイモ>とも。ムニニ=ムニンは腐るというような意味が。確かににおいにクセがあるという人もいるが、まったく気にならない。
これは焼いて食べる。
そして、ついに! においでお腹がいっぱいになったころ、全メニューが完成した。
さっそく試食。
「昔のアイヌはエラかったねえ。自分たちで手に入れたモノだけを保存しておいて、厳しい冬も過ごしたんだからねえ。冷凍庫なんてなかったんだもんねえ。口にした食べ物で怪しいモノなんて、なーんも無かったんだからねえ、今と違って。しかも体にいいモノをちゃあんと知ってしたんだよ。<ケアラン>おいしいねえ」
<イヤイライケレ>ありがとう。
コメント
コメントの投稿
トラックバック
http://lake946.blog102.fc2.com/tb.php/163-ec72d6c3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


