2008-08

屈斜路コタンのイチャルパ・10

(あっ…。うっかりしてたら日付が変わっちゃってた)

2007年11月11日(日) くもり のち 雨

屈斜路コタンの<イチャルパ>先祖供養祭本祭りを明日に控え、準備も大詰めである。

男性は<nusaヌサ>祭壇の横に建つ<ciseチセ>住居<inawイナウ>木幣作り。
約一週間前に、樹皮を削って乾かしておいたヤナギの木の中から、節のない12本を選び出す。
イナウは捧げる神によって種類が異なる。この12本は、屈斜路コタン周辺の湖や山の神々に捧げるためのイナウが作られる。そのほかヌサの前で行われる供養の際に捧げるイナウ、チセの中の道具類に捧げるイナウなど、もろもろ合わせて100本以上が削りだされる。

作業に先立ち、<onkami オンカミ>礼拝をして滞りなく行えるように祈る。
「うまく作ろうというよりも心をこめて作ることのほうが先祖は喜ぶ」という副祭主の言葉を支えにして、ヤナギにイナウケマキリをあてる。
07111101

「最初からうまく作ろうなんて思うなよ。そう思ったって作れるもんじゃないぞ」
「手先だけじゃなくて腰から上半身全体を使って削れ」
「作るぞ!って緊張するとどうしても力が入るんだな。なんとなーく削ってるほうが、いい具合に肩の力が抜けるもんだ」
「なんてったって経験だ。数をこなせばいやでもうまくなる」
07111102

おりおりに諸先輩方からのアドバイスがかかる。
最後、中心となる12本のイナウの最上部に<itokpa イトパ>家に代々伝わる刻印を彫り込んで完成となった。
07111103

明日の本祭りで、このイトパの部分に酒が捧げられると初めて、イナウに魂がこもったことになるという。
オンカミをして無事に作業が終了した感謝を捧げ、緊張の糸がほぐれた。

イナウ作りで出た削りかすは、後日、ヌサの後ろで燃やされる。
クマザサの葉を用い、魔よけの意味をもつ<タクサ>を4本仕上げて今日の全工程が終了した。

女性は<サケヌパ>酒漉しとお供え物作りである。
儀礼の際に作られる特別料理としての基本のひとつが<ラタ煮込みである。
屈斜路コタンでは茹でたじゃがいもに鮭の筋子を加える<チポラタ煮込んだかぼちゃにシケペを混ぜる<シケペラタが作られる。

昨日、作っておいたシトのドーナツ状のものは、採ってきたヨモギの茎に通しておき、明日、炉端に掲げられる。

さあ、いよいよ本祭りだ。

テーマ:北海道/道東 - ジャンル:地域情報

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