2008-04

氷が解けたら

2008年4月10日(木) くもり のち 晴れ

自衛隊基地のある千歳市では、「戦車が街中を走り始めると春を感じる」という。
誤解のないよう補足説明すると、先日、戦車が走行時に発する騒音調査をしたそうだ。近隣住民はすでに慣れたご様子であったが、最大で騒々しい工場内レベルの音量だったとか。
その際のインタビューで、ある一人の市民が冒頭の言葉を発したのである。

「雪が解けると(戦車が)動き始めますからね。あー、春だなあ、と」
基地のあるまちに暮らすというのは、たとえばこういうことなのだろう。
基地がないまちに暮らしている人間には、想像もできない話だ。


昼間、外で作業をしていると。
仲間の一人がやって来て、深刻な顔つきで話しかけてきた。曰く、
「昨日の夜も散歩に行った?」
<Kussharo Factory>の看板犬が夜に散歩に行くことを知っているうえでの会話である。
行ったけど?
「何時ごろ?」
えーっと…ところで、なした?
「女の人の叫び声みたいなの、聞こえなかった?」
へっ!? ど、どんな?
「ぎゃー、って感じの。確認しに行こうにも恐くて外に出られなかったんだ」
なにそれ? 女の人の叫び声だと? ちょっとマズいんでないかい? うーむ…。うーむ。うー…む?
もしかして。キツネでないかい?
「キツネー?」

散歩から帰ってきてご飯も食べて、まったりしていた<Kussharo Factory>の看板犬だったのだが、突然、背中の毛を逆立てて外に向かって「ウー」と唸ったのだ。
はて?
耳を澄ましてみたが人間には何も聞こえない。が、明らかに怒っている。

なので外に出てみた。すると…聞こえたのだ。
「ギャー」「ギョエー」「ギューン」−。
ま、要は言葉にするのが難しい音なのだが、それはまさしくキタキツネの声であった。
たぶん威嚇とか警戒といった緊張感漂う場面で発する声と思われるが、毎年この時期になると特によく耳にする。



この本のなかでは、親ギツネが子ギツネをお仕置きするときに似たような声を出す話が載っている。
写真もたくさん収められている獣医が書いた報告書。北海道の野生動物に興味のある方にはオススメです。

で、仲間との話を元に戻すと。
「なんだあ、キツネかあ。良かった、警察に電話するところだった」
一件落着。たぶん。落着してくれないと困るんだけど。
少なくとも絵本で描かれているように、「コンコン」とキタキツネがなく声なんて、まず聞かれない。
穏やかな状態でも「ケーン」ってカンジかなあ。


屈斜路の山でも小さい春、みーつけた。
08041010

量的にはほんのちょびっとだったけど、楽しみはみんなで分かち合わねばならぬ。
さらにちょびっとずつ、ご近所におすそ分け。
皆さんのうれしそうな顔を見ると、こちらもうれしくなる。

ある小学校での話−。
先生が一人の生徒に質問した。
「氷がとけたら何になる?」
先生は「水」という答えを期待したようだが、生徒はマジメな顔で言った。
「春」

この話がとっても好きなんである。
屈斜路湖の氷もだいぶ解けてきております。

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