2007-10

屈斜路アイヌの言い分

2007年10月1日(月) 晴れ

釧路で生まれ、屈斜路コタンで暮らしたこともある山本多助エカシは、10月を<シニオラッ チュップ>落ち葉月と表現した。

秋は赤い実のなる木が多いんじゃないか。

まず、目につく鮮やかな赤はなんといっても<mawneni>ナナカマドである。
07100106 07100101

maw(湿布に使う掻き綿)ne(になる)ni(木)というのは、木質部を小刀で直角にあて手前に掻くと綿のような木屑ができ、それを湿布の当て綿として用いたためだとか。

秋晴れの青空のもと、この実の色はひじょうに映える。
そして、この実を見るたびに知里真志保博士によるエピソードが頭をかすめるんである。

曰く。
−世界的な植物分類学者・宮部金吾博士が「アイヌ植物名について」という論文のなかで、屈斜路アイヌがナナカマドをabe-ni(火の木)と呼んでいることから、燃えやすく焚き木とする木として取り上げている。
しかし知里博士が知る限り、屈斜路アイヌがナナカマドをそう呼ぶことはなかった。ではなぜ、そんな話になってしまったのか…。
疑問を抱きながら、知里博士が弟子屈出身の更科源蔵氏が著した「コタン生物記」を開いて見ると、《七回かまどに入れても燃えないというこの木は、それだけに雪の中で火を焚くとき焚き木の下敷きにしておくとかえって燃えないから火の臺になる》と書いてあった。屈斜路コタンの老人はおそらく、《ナナカマドは七回かまどに入れても燃えないというくらいだから、もちろんape(火)-ni(木)にはならない》というようなことを語ったと思われる。それを早合点して自著に掲げたのだろう。そのうえ、ape-niもabe-niと誤った発音になって。

結果、屈斜路アイヌは自分たちも知らない間に、ナナカマドを火の木と呼んでいるということになってしまい、植物分類学者でさえ七回かまどに入れても燃えないくらいのナナカマドが燃えやすく焚き木にする木として分類するという、奇妙な事態になってしまったのだ。ちゃんちゃん♪−
という話。

わかった?
勘違いなんだからね!

<rarmani>とは北海道でいうところのオンコの木の実。
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内地ではイチイ(一位)という名で通っているはず。杓や床柱にも使われる銘木だ。木彫りでもよく用いられる材のひとつで、製品は使用しているうちにアメ色に変わる。
実は人間も食べられるが、エゾリスも大好物らしい。

そこでエゾリス<niyow>である。
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どこにいるか、わかるかなあ?

テーマ:北海道/道東 - ジャンル:地域情報

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