2007-07

刺繍担当者のつぶやき・その1

2007年7月8日(日) 

「ちょっと乱暴な表現かもしんないけど、誤解を恐れずに言うとさ」
なにを?
「刺繍ってさあ」
ああ、刺繍の話ね。
「上手下手(注:「かみて」「しもて」ではない。「じょうず」「へた」である)はこの際、置いといてさ」
置いとくんかい。
「刺すだけなら、やる気と根気さえあればできると思うんだよね」
ほう。
「もちろん、布と針と糸とハサミとかは必要だけど」
わかっとるわい。
「刺す前に文様を描かなきゃなんないんだよね」

まずこれが第一関門である。
ウルトラ大雑把にいって、刺繍におけるアイヌ文様は2種類を基本とした無限の組み合わせだ。
07070801

どっこい。2種類の組み合わせとはいえ、「ほれほれ、書いてみ!」といわれると手が動かないんだな、これが。
たとえば<マタンプ鉢巻だったら横長のデザインになるし、巾着だったら四角い広がりになるだろうし、左右のバランスとかアンバランスとかを考え始めたら、もーたいへん!
奇声のひとつやふたつ、発したくなるっちゅーもんである。
…というわけで、アイヌ文様に関する話はまたそのうち詳しく。

で、めでたくデザインが描けたとしたら、ひたすら刺す。
が! ここでも色の組み合わせを考えなきゃなんない。

で、さらにめでたく刺し上がったとする。
いよいよ最終関門は仕上げだ。

<マタンプだろうが<ホ脚絆だろうが<テクンペ>手甲だろうが巾着だろうが、とにかく仕上げなければモノにならない。

刺繍モノはたぶん、制作途中を見られて、「あらー、何を作っているの?」(針仕事に関心を持つのは圧倒的に女性である)と聞かれることはあっても、「それ、途中でもいいからくださらない?」ってことは、まずあり得ない。
手にしろミシンにしろ縫った、アイロンかけた、縫った、アイロンかけたを数回繰り返し、モノによってはホシ止めをしたり、マジックテープをつけたりなんだりかんだりして、ようやく完成。

読むだけでも疲れるっしょ。

だから、ね。
「お値段、まけてくださらない?」って言わんといて。

テーマ:北海道/道東 - ジャンル:地域情報

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